春風 蚕種紙 種芋 淡雪

店ゝの暖簾潜りて春の風

蚕種紙や如月日数粒立ちぬ

灰まぶれ種芋干しの親爺かな

淡雪に淡路の千景ゆきにけり

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たなだなの のれんくぐりて はるのかぜ  

さんしゅしや きさらぎひかず つぶだちぬ  

はいまぶれ たねいもぼしの おやじかな  

あわゆきに あわじのちかげ ゆきにけり  

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~ the welcome spring breeze
~ blows in to shops
~ through store curtains  
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~ once upon a time, silk-raising farmers purchased
~ papers on that silkworm-moths deposited their ovums
~ with inspection stamps in early-spring  
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~ a farmer blew out his brains
~ to cut seed tubers with ashy fingers
~ under the spring sun  
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~ Awaji Chikage, an Japanese actress
~ went to her rest
~ on a light-snowy day  

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〔難読・難解語など〕

さんしゅし【蚕種紙】: 蚕の蛾(が)に卵を生みつけさせる畳紙。
蚕卵台紙。蚕紙。蚕種紙。防疫検査を済ませたものには検印が
捺された。養蚕農家は、文字通り養蚕するのみで、上質の蚕、
すなわち良質の繭玉・絹糸を得るためこの紙を購入して、蚕に
孵化させて育てていた。明治時代には日本の良質の蚕が諸外
国に求められた時にも、こうした紙の状態の蚕の売買・流通が
行われたのである。蚕種紙は普通、蚕框と呼ばれる蚕蛾が個
別に産卵できるよう工夫されたグリッドの下に置かれる。この
グリッドの数は、28蛾・35蛾・56蛾用といくつかタイプがある。
これは卵の検査のためにも必要であった(蚕に病気が流行す
るのは我が日本にとって重大な脅威であったのである)。  

〔参考〕 種芋と灰
種芋を作付けする際には、芋を何等分かに切って土中に播
くわけですが、こうして種芋を切る際、その切り口に灰を付け
乾燥させる習慣がありました(現在でも行うところもあるよう
です)。これは切り口から病原菌が侵入して芋を腐らせたり、
土中の害虫除けのために行ったようですが、現在では灰を
まぶさず切り口を乾燥させ、芋の自然治癒力で切り口の再
生を促すキュアリングという考え方が主流になっているよう
です。  

〔参考〕 亡くなった淡島千景さんの最初の芸名は「淡路」千景。

淡路島通ふ千鳥の鳴く声にいく夜ねざめぬ須磨の関守 源兼昌

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(15feb12)  

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About 池ノ内 孝    Takashi (Kou) Ikenouchi
a haiku poet (俳名:秋村 [Shūson]), an actor, pure-Japanese, Tokyo Japan

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