柿落葉 霜夜

柿落葉色失ふて風に舞ふ

大岩をいささ持ち上ぐ霜夜かな

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かきおちば いろうしのうて かぜにまう  

おおいわを いささもちあぐ しもよかな  

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~ deciduous leaves of persimmon
~ were painted with various paints
~ now they wither and scurry in the wind  
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~ frost formed under a mass of rock
~ it seemed slightly-moved
~ I imagined  

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(30nov11)  

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セーター 襟巻 雪の原 冬雲 水仙 雪の暮れ 木守

青春の手編みセーター秘匿せり

襟巻きにならぬ恋あり毛糸玉

路埋もる雪の原行く夜汽車かな

冬雲の下にどんより富士のあり

水仙や蕾の先の薄緑

靴下のかかとの穴や雪の暮れ

樅の木の木守残す一つ星

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せいしゅんの てあみせーたー ひとくせり  

えりまきに ならぬこいあり けいとだま  

みちうもる ゆきのはらゆく よぎしゃかな  

ふゆぐもの したにどんより ふじのあり  

すいせんや つぼみのさきの うすみどり  

くつしたの かかとのあなや ゆきのくれ  

もみのきの きまもりのこす ひとつぼし  

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~ a hand-knit sweater
~ ancient history is here
~ in an old cardboard  
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~ balls of wool
~ half-finished knitting
~ fruitless one-way love  
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~ rail way deep in snow
~ the owl train run
~ through the snowfield  
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~ icy clouds
~ hanging high in the sky
~ Mt Fuji is there  
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~ daffodils are
~ in light green sharpen buds
~’ s a crumb of my comfort in winter  
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~ i watched the spud
~ in front of the oil-stove
~ in the indigent dying year  
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~ a fir
~ set a fruit on its top
~ Star of Bethlehem  

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(29nov11)  

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毛糸帽 ちゃんちゃんこ ストーブ 石炭 小六月 星の入東風

毛糸帽枯草匂ふ編目かな

ちゃんちゃんこ和洋折衷ここにあり

ストーヴや石油のこんと落ちにけり

石炭や油染みある古新聞

軒下にしゃこば垂れ咲く小六月

星入らば東風に梶切る波枕

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けいとぼう かれくさにおう あみめかな  

ちゃんちゃんこ わようせっちゅう ここにあり  

すとーぶや せきゆのこんと おちにけり  

せきたんや あぶらじみある ふるしんぶん  

のきしたに しゃこばたれさく ころくがつ  

ほしいらば こちにかじきる なみまくら  

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~ my knitted cap
~ some pieces of dried grass in the stiches
~ smells of the winter  
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~ i wore padded sleeveless kimono jacket
~ on my European clothes
~ half-Japanese, half-Western  
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~ turned on the oil heater
~ fed the stove with oil automatically
~ made a sound of the swallow  
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~ dirty hands
~ put cold black coal to the fired stove
~ with coal-oil-stained newspapers  
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~ flowering Christmas-cactus
~ under the eaves
~ in the wintry weak sun  
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~ blowing Aeolus
~ the boat put the full right rudder
~ in the Mare Undarum  

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〔難読・難解語など〕(『広辞苑』第六版などより)  

しゃこばさぼてん〔蝦蛄葉サボテン〕: サボテン科の多年草。
南アメリカ原産。カニバサボテンと同属で全体はよく似るが、
各茎節が角張り、花が左右相称形になる。クリスマス‐カクタス。
しゃこば。

ころくがつ【小六月】: 陰暦一〇月の異称。春を思わせるような
うららかな日和のあるところからいう。「小春」の傍題。

ほしのいりごち【星の入東風】: (畿内・中国地方の船人の用語)
陰暦10月中旬に吹く北東風。「このころは、昴星〔すばるほし〕の
出入に天候変り易く、夜明に、この星、西に入る時この風吹く」
(『物類称呼』)

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(29nov11)  

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都鳥 冬めく 冬の空 天狼 鎌鼬

澪標逆旅とせしや都鳥

眼鏡の鼻あて冷えて冬めける

電飾を纏ふ欅や冬の空

孤高なり天狼統ぶる白銀野

科学者に信心ありき鎌鼬

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みおつくし げきりょとせしや みやこどり  

がんきょうの はなあてひえて ふゆめける  

でんしょくを まとうけやきや ふゆのそら  

ここうなり てんろうすぶる はくぎんや  

かがくしゃに しんじんありき かまいたち  

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~ traveling gulls
~ got roosting on the pile
~ they will not be there tomorrow morning  
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~ nose pads of my spectacles
~ felt cold between my brows
~ ‘s wintry feeling  
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~ zelkova serrata’s colonnade
~ has clad in electric spectaculars
~ there is the year-end sky  
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~ Sirius is shinning in the sky
~ with his loftiness
~ looks contemptuously at subcelestials  
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~ the scientist received
~ a flesh wound without any apparent cause after a gust
~ he believed in God  

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〔難読・難解語など〕(『国語大辞典』などより)  

みおつくし〔澪標〕:  (「澪(みお)つ串(くし)」で、「つ」は「の」の意の助詞。
後世は「みおづくし」とも)通行する船に水脈や水深を知らせるために目
印として立てる杭。水深の浅い河口港に設けるもの。古来、難波のみお
つくしが有名。また、和歌では「身を尽くし」にかけて用いることが多い。
みおぎ。みおぐい。みおぼうぎ。みおじるし。みおのしるし。みおぐし。

げきりょ〔逆旅〕:  旅館。やどや。旅人をむかえる所の意。

みやこどり【都鳥】: 百合鴎(ゆりかもめ)の雅称。「隅田川の都鳥」とし
て名がある。古くから詩歌や物語に現れる。『伊勢物語』東下り「都鳥」
の段「名にし負はばいざ事とはむ宮こ鳥」では業平橋、言問橋などの
地名ともなりよく知られている。また「ゆりかもめ」は東京臨海新交通
臨海線(新橋~豊洲)の愛称としても用いられている。

てんろう【天狼】: シリウス。中国語で天狼と呼ばれる。和名は『青星
(あおぼし)』。おおいぬ座α星。

かまいたち【鎌鼬】: 突然皮膚が裂けて、鋭利な鎌で切ったような切
り傷ができる現象。気候の変動で空中に真空部分が生じた時、これに
触れた人体気の空気が、一時に平均を保とうとするために起こるとい
われる。昔は目に見えない鼬(いたち)のしわざと考えられたところから
いう。越後の七不思議の一つに数えられ、信越地方に多い現象。

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(28nov11)  

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巻繊汁 月冴ゆる 焼薯 熊突 風花

巻繊や典座の回す大杓文字

月冴えて玉散り寄すや波の剣

焼薯や薪に面照る親爺かな

熊突や水垢離取りし山の衆

風花の睫にとまる軽さかな

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けんちんや てんぞのまわす おおさもじ  

つきさえて たまちりよすや なみのけん  

やきいもや まきにおもてる おやじかな  

くまつきや みずごりとりし やまのしゅう  

かざはなの まつげにとまる かろさかな  

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~ a kitchener in Zen temple
~ was stirring ‘kenchin’ clear-soup
~ with a giant ladle  
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~ ridges of the sea waves were shimmered
~ by the moon shining in the wintry gloom
~ like the samurai sword  
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~ sweet potatoes
~ were roasted by a master
~ whose face flamed with stoking the woods  
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~ bear hunters
~ performed ablutions at first
~ to dedicate themselves to God  
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~ a piece of snow flurry in a clear sky
~ fell on my lashes floaty
~ like feathers  

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〔難読・難解語など〕(『国語大辞典』より)  

てんぞ〔典座〕: (「ぞ」は「座」の唐宋音)六知事の一つ。禅寺で
衆僧の食事をつかさどる役。もとは衆僧の床座をつかさどったもの。
「てんざ」とも。

くまつき【熊突】: 狩人が熊を槍で突き殺すこと。また、それに
用いる槍の類の道具。熊打

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(27nov11)  

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咳 寒四郎 紙衣 木守柿 九年母

乗客の咳に息止む電車かな

湯気立てて馬疾く行くや寒四郎

性空の身に書写纏う紙衣かな

尾長にも道心ありや木守柿

九年母に虚しう爪を立ててをり

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じょうきゃくの せきにいきとむ でんしゃかな  

ゆげたてて うまとくゆくや かんしろう  

しょうくうの みにしょしゃまとう かみこかな  

おながにも どうしんありや こもりかき  

くねんぼに むなしゅうつめを たてており  

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~ a passenger is coughing
~ without covering his mouse in the train
~ others are holding their breath like skin-diving   
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~ four days after the midwinter
~ racehorses are running with steaming
~ at the racecourse in front of a audience   
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~ all his life St Shokuh
~ was simply attired himself
~ in the canned-paper-garb of a priest   
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~ a custom of gathering fruite all but one
~ for the genius of tree not only farmers
~ but also azure‐winged-magpie mustn’t eat it adringly   
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~ ctrus-nobilis have a thick and stiff peel
~ i try to eat and get my claws into it
~ fruitless effort   

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〔難読・難解語など〕(『国語大辞典』より)  

かんしろう【寒四郎】: 寒の入りから四日目にあたる日。
麦の厄日とされており、この日の天候は、その後の晴雨
または一年の作柄に重大な影響があるという俗信が
あった。  

かみこ【紙衣】: 紙で作った衣服。上質の厚くすいた和紙
に柿渋をぬり、何度も日にかわかし、夜露にさらしてもみ
やわらげ、衣服に仕立てたもの。女の手によらないで作る
ことができるので、もと律宗の僧侶が用いたという。はじめ、
布の代用品として広く貴賤の間で用いたが、安価であると
ころからのちには貧乏人が愛用。かみぎぬ。  

しょうくう〔性空〕: 平安中期の天台宗の僧。京都の人。通称、
書写上人・悉地菩薩。三六歳で出家し、比叡山の慈慧僧正に
学び、源信、覚運らとともに天台教学をきわめた。のち日向国
(宮崎県)、筑前国(福岡県)の山にはいり、やがて播磨国(兵庫
県)の書写山に留まって円教寺を創建。(九一〇~一〇〇七)
紙衣を着て過ごしたことで有名。

きまもり【木守】: 翌年の豊作を祈って、果樹に一つだけと
り残しておく果実。「こもり」とも。  

くねんぼ【九年母】: (「くねんぽ」とも)ミカン科の常緑小高木。
インドシナ原産で、古く中国を経て渡来し、栽培される。幹は
高さ三~五メートルになり、ミカンに似てやや大きく、長さ一〇
センチメートルほどの楕円形の葉を互生する。初夏、枝先に
芳香のある白色の五弁花を開く。果実は径六センチメートル
ぐらいの球形で、秋に熟して橙色になる。表皮は厚く種子が多
いが甘味があり生食される。漢名は橘で香橙は誤用。
香橘(こうきつ)。くねぶ。

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(26nov11)  

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霜月 掛乞 初雪 蒲団 湯豆腐

霜月や薬罐の湯気の忙しかり

掛乞や世渡口舌ひとしきり

初雪や初恋よりも淡く消ゆ

母の辺に寝息確かむ蒲団かな

湯豆腐を食ふに骨あり塗りの箸

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しもつきや やかんのゆげの せわしかり  

かけごいや よわたりくぜつ ひとしきり  

はつゆきや はつこいよりも あわくきゆ  

ははのべに ねいきたしかむ ふとんかな  

ゆどうふを くうにこつあり ぬりのはし  

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~ in the kitchen at full blast
~ a kettle boils and produces a steam
~ in the lunar november   
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~ i was dunned for debts
~ at the end of the year
~ it is the part of prudence to do that   
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~ the first snow of the year
~ disappeared like a packet of salts
~ more rapid than the first love   
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~ i determined
~ anxious about my olden mother’s breathes
~ by her bedside   
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~ it is too difficult
~ to eat the boiled bean curd
~ with the japanned chopsticks   

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(25nov11)  

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炬燵 冬の月 冬木立 冬眠 寒さ

いつの間や肘を枕の炬燵かな

美術館出れば無辺に冬の月

明けすけの開けっぴろげや冬木立

冬眠や蝙蝠穴の総鼾

今日もまた銭湯やめる寒さかな

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いつのまや ひじをまくらの こたつかな  

びじゅつかん でればむへんに ふゆのつき  

あけすけの あけっぴろげや ふゆこだち  

とうみんや かわほりあなの そういびき  

きょうもまた せんとうやめる さむさかな  

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~ i slipped off to sleep
~ with pillowing on my arm
~ in the lower-body warmer  
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~ i left the art musium empty-hearted
~ look up at the boundless night sky
~ the moon was shining  
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~ point-blank
~ stone-broked
~ person stands in a winter grove  
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~ hibernating bats
~ are snoring loudly
~ in their comfortable cubby  
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~ i blew off
~ to go to bathhouse
~ it was too cold outside  

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(24nov11)  

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夜興引 涙の時雨 寒月 小春 木がらし

夜興引や火縄で点ける煙管かな

ノーサイドくやし涙の時雨かな

寒月や天水桶の水軋む

松かさのすこしく開く小春かな

木がらしの波押し返す汀かな

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よこひきや ひなわでつける きせるかな  

のーさいど くやしなみだの しぐれかな  

かんげつや てんすいおけの みずきしむ  

まつかさの すこしくひらく こはるかな  

こがらしの なみおしかえす なぎさかな  

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~ a night-hunter
~ bagged a large game
~ lighted a cigarette with a slow match  
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~ the rugby team lost a match
~ the players were weaping bitter tears
~ in the chilly drizzle  
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~ the water for fire-fighting on the roof
~ is turning to ice
~ under the winter moonlight  
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~ pine cones
~ are peeping out their seeds a little
~ in a warm autumn day  
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~ the cold wintry wind
~ was blowing to the sea
~ had control over the wave force  

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〔難読・難解語など〕(『広辞苑』第六版などより)  

よこひき【夜興引】: 冬の夜明け方、ねぐらへ帰る獣を狙い、
犬を引いて猟すること。また、その者。「よごひき」「よこうひき」
とも。  

てんすいおけ〔天水桶〕: 防火用として雨水をためておく桶。
昔は屋根の上や軒先・町角などに置いた。

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(23nov11)  

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寒影 暖鳥 冬ざれ 小雪 勤労感謝の日

終電の行けば駅舎の寒き影

秀吉も織田の草履のぬくめ鳥

河の原何の枯骨や冬ざるる

小雪や青首大根葉を晒す

職探し休む勤労感謝の日

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しゅうでんの ゆけばえきしゃの さむきかげ  

ひでよしも おだのぞうりの ぬくめどり  

かわのはら なんのここつや ふゆざるる  

しょうせつや あおくびだいこん はをさらす  

しょくさがし やすむきんろう かんしゃのひ  

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~ person stranded after missing the last train
~ the station where went black
~ was a cold shadow in the winter midnight  
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~ hangers-on
~ uses flattery to get a ladder
~ he chafes up mentor’s foot  
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~ some animal’s dried-up bones
~ were bleached
~ in the desolated wintry riverbed  
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~ at the end of November
~ a farmer suns green-head-radishes
~ in the winter  
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~ Labor Thanksgiving Day
~ is celebrated
~ on the unemployment lines  

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〔難読・難解語など〕(『広辞苑』第六版より)  

ぬくめどり【暖鳥】: 温め鳥。冬の夜、鷹が小鳥を捕らえてつかみ、その
脚を温め、翌朝これを放してやるという、そのこと。また、その小鳥。  

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(22nov11)  

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